不妊症の施術例16

●症例49 多嚢胞性卵巣で体外受精で妊娠!

【患  者】
27歳 女性

【初回来院日】
2023年12月

【ご来院の背景】

患者様は妊活を始める約5年前から「多嚢胞性卵巣症候群」と診断されており、生理時には毎回血の塊が出るなど不調を抱えていました。

妊活を開始して1年が経過したものの妊娠に至らず、婦人科での治療を継続しながらも「体の状態を根本から整えたい」との思いで来院されました。

また、偏頭痛や冷え性、3年前に鉄剤を処方されたほどの貧血傾向、胃腸の弱さによるエネルギー不足もあり、「これらの体質が妊娠を妨げているのではないか」という強い不安を感じておられました。

画像の説明

【施術の内容と経過】

初診時の脈診・腹診では「エネルギー不足」「胃腸の働きの弱さ」「血流の滞り」が顕著でした。そこで、以下を中心に施術を進めました。

  • 胃腸を整え、栄養を吸収しやすくする施術
  • 骨盤内の血流を促進し、卵巣・子宮環境を整える施術
  • 自律神経の乱れを調整し、冷えや頭痛の改善を図る施術

【経 過】

当初はタイミング法+クロミッド服用を続けるも、卵胞が育たない周期もあり、不安が強い状態でした。

3ヶ月目から人工授精にステップアップ。体調を整える施術を続けることで、頭痛や冷えの頻度は徐々に軽減。

7月に体外受精に進み、4個の卵子を採卵し、そのうち1つを凍結。

10月に移植を行い、陽性反応を確認。

妊娠判定後も、つわりや頭痛、体調不良が出るたびに妊娠中でも安全な施術を行い、安心して妊娠生活を送られました。

【結果とその後】

妊娠中も大きなトラブルなく過ごされ、無事にご出産。
「病院の治療だけでは不安が大きかったが、体のケアを続けていたことで安心して妊娠生活を送れた」と大変喜んでいただきました。

【考察】

この方は妊活前から多嚢胞性卵巣症候群と診断を受けており、卵巣機能の不安に加えて、冷え・偏頭痛・胃腸の弱さによるエネルギー不足など、全身的な不調が妊娠を妨げていました。

そこで、鍼灸整体で「胃腸を整える」「エネルギーを補う」「骨盤内の血流を促す」ことを意識した結果、体の土台が安定し、病院での不妊治療の効果も発揮されやすくなりました。

不妊治療をしていても「卵子が育たない」「体調不良がつらい」と感じる方は少なくありません。

そのような方にこそ、東洋医学的な体質改善は大きな支えとなります。

⚫︎症例48 不妊歴5年、苦労を乗り越えて妊娠!

【患  者】
 31歳 女性 パート 京丹後市

【初回来院日】
 2022年1月

【ご来院の背景】
患者様は不妊歴5年。

これまでに 卵巣腫瘍で右側を切除、左も一部しか残っていない という状態でした。さらに 子宮頸部高度異形成のため円錐切除術、卵管右切除 と婦人科系の大きな手術を経験されていました。

地元の病院で人工授精を6回、その後神戸のクリニックで人工授精3回・体外受精1回を試みられましたが、妊娠には至らず。

当院へ来院された時には「年齢的にもできることはやっておきたい」という強い想いを持っていらっしゃいました。

症状としては 生理周期が24日と短め、腰痛や冷え性が強い こともあり、妊娠しやすい体づくりを希望されました。

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【施術の内容と経過】
施術を開始すると同時に採卵を行い、初期胚を移植した結果、陽性判定は得られました。しかし、残念ながら妊娠は継続できませんでした。

その後3ヶ月の期間を経て9月・10月に採卵を行いましたが、結果は空胞。

この時点で焦りもありましたが、「今は体を整える時期」とご本人と方針を確認し、半年間は徹底して体づくりを中心に施術を継続しました。

日常的には お灸を毎日実践。施術を通じて 生理痛の緩和や体の変化 をご本人も実感されていきました。

翌年7月の採卵では、待望の 2つの凍結胚盤胞 を得ることができました。

翌月の移植で陽性反応。ついに妊娠が成立し、その後は無事にご出産に至りました。

【結果とその後】
これまで「妊娠は厳しいかもしれない」と医師から伝えられていた状況でしたが、 体の土台を整え直す期間をしっかり持ったこと が大きな成果につながりました。

ご本人の「諦めない強い意思」と「施術の継続」が実を結び、長年の不妊治療の末に新しい命を迎えることができました。

【考 察】
この症例は、体の状態が厳しくても 体づくりを徹底することで未来が開ける ことを示しています。

  • 妊娠しやすい体を整えるためには、短期間での結果を求めすぎず、体質改善のプロセスを大切にすること
  • 毎日のセルフケア(お灸など)を習慣にすること
  • 医療的な不妊治療と並行して、東洋医学的なアプローチで体を支えること

これらが重なり合い、最終的な結果へとつながったと考えます。

「妊娠は厳しいのでは…」と悩まれている方にも、 体を整えることで可能性を広げられる という希望を持っていただける症例です。

⚫︎症例47 流産を乗り越えて40歳で妊娠! 

【患  者】
 40歳 女性 パート

【初回来院日】
 2024年1月

【ご来院の背景】
患者様は40歳。3年前に稽留流産を経験されており、その後なかなか妊娠に至らず、ご主人(44歳)とともに妊活を続けておられました。
「年齢的にそろそろ限界が見えてきた。できることは全部やっておきたい」との強い思いから、ご自身の体質改善を目的に来院されました。

主訴としては、肩こり・強い冷え性・かかとのひび割れなどがあり、体のこわばりが全体的に強い印象でした。また、甘いものが好きで、朝食はパンとコーヒーのみという偏りがありました。水分摂取も非常に少なく、1日200mlほどしか飲めていないという状況でした。

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【施術の内容と経過】
週1回のペースで、片道1時間かけて通院いただきました。

最初の半年は「妊娠しやすい体づくり」を中心に、以下のような東洋医学的アプローチを中心に施術を進めました。

  • 全身の巡りを整える鍼灸施術(特に腎と脾の調整、瘀血の改善)
  • 自宅でのセルフお灸の指導
  • お風呂につかる習慣の提案(シャワーから湯船へ)
  • 食事の見直し(朝食をパン+コーヒー→ご飯+味噌汁中心へ)
  • 水分摂取量を1日500ml以上に増やすよう指導

タイミング法を続けていましたが、その間は妊娠には至らず、人工授精にステップアップ。2回目の人工授精のタイミングで、妊娠が確認されました。
施術開始から約9ヶ月目での妊娠でした。

【結果とその後】
年齢的にもかなり不安の中、無事に妊娠が確認され、ご夫婦ともにとても喜ばれていました。
当初は体外受精への移行を予定されていましたが、その前に人工授精で妊娠に至ったことで、身体づくりの重要性を実感されていました。

【考 察】
この患者様のように、冷え性や肩こり、かかとのひび割れなど「妊娠とは一見関係なさそうな体のサイン」も、東洋医学では「血流不足」や「腎虚(じんきょ)」といった妊娠力に関わるサインと捉えます。

また、食事や水分摂取、入浴習慣の改善といった「生活全体を整えること」が、結果的に子宮や卵巣の環境改善につながりました。

また3年前に流産をされてつらい思いをされたと思いますが、それでもご夫婦で「赤ちゃんが欲しい」という強い気持ちをもたれて、1時間通院時間もかかる中、一生懸命通院されたことで結果が出て私も本当に嬉しかったです。

鍼灸の施術だけでなく、ご自身の体に向き合い、コツコツと取り組まれたことが妊娠につながった大きな要因だったと思います。

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